躁うつ病とは

極端とされる2つの極、躁状態とうつ状態が交互にみられている状態を躁うつ病、または双極性障害と呼びます。

躁状態とうつ状態

躁状態とは気分の高揚が持続している状態です。自信過剰、けんかっ早い、おしゃべりになる、眠らなくても平気、頭の中で考えが次々と湧く、異常な浪費、注意力が散漫などの症状がみられます。

うつ状態とは、無気力、憂うつ感、何事にも興味が湧かない、反応が鈍くなる、疲れやすい、自己否定感、希死念慮などが現れるようになります。ちなみにうつ病の症状との違いについては、はっきりとはわかっていません。ただ双極性障害の方が慢性化しやすく、うつ状態の際は、過眠や過食がみられるという特徴もあります。

1型と2型の2種類ある

躁うつ病は大きく1型(双極性1型障害)と2型(双極性2型障害)に分けられます。1型は、はっきりした躁状態とうつ状態を繰り返すタイプになります。そのため躁状態にあると他者へ攻撃的な態度をとるなどトラブルを起こしやすくなります。一方の2型は比較的軽いとされる躁状態(軽躁状態)が4日程度とうつ状態を繰り返していきます。基本的にうつ状態がメインとなります。なお2型の躁状態は気分が高揚することはなく、患者様ご自身も今日は気分が良いくらいにしか感じません。したがって発症に気づきにくいことがあります。

発症の原因については、現時点では特定されていませんが、遺伝的要因やストレス等の環境要因などが関係しているのではないかと言われています。

治療について

薬物療法が中心となります。主に気分安定薬(リチウム、ラモトリギン 等)が使用されます。躁状態がひどい場合は、抗精神病薬(アリピプラゾール、ハロペリドール 等)を用います。また治療にあたっては、患者様ご自身が病気であること、それに対する治療が必要なことを理解することでより効果的になります。また精神療法として、認知行動療法をはじめ、対人関係療法(対人関係に焦点を当て、問題解決を図っていく)なども行っていきます。