うつ病とは

双極障害(躁うつ病)と共に気分障害のひとつでもあります。主に一日中気分が落ち込んでいて何をしても楽しめないという精神状態になるほか、食欲不振、易疲労性、不眠を訴えているなどの身体症状もみられます。その状態が2週間以上続いているという場合、うつ病が疑われます。
うつ病を発症すると、ものの見方や考え方というのが否定的になりやすく、希死念慮(死ぬことを考えている)を抱く、自殺企図(自殺を企てようとする)を行うということもあります。

うつ病でよくみられる症状

  • 気分が落ち込んでいる
  • 何をするにもやる気が起きない
  • 食欲がない
  • 頭痛や肩こりがある
  • 不眠(早朝覚醒：朝早くに目が覚め、それ以降眠れなくなる)
  • 人と会うのを避ける
  • イライラする など

原因について

現時点で完全に特定されたわけではありませんが、脳内の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの分泌のバランスが乱れによって起きるのではないかと考えられています。また患者様ご自身の性格(生真面目、責任感が強い、気を遣う 等)やストレス(環境の変化 等)も発症リスクを高めるとしています。このほか、何かしらの病気(脳や神経系の病気、糖尿病や甲状腺疾患などの内分泌疾患、がん 等)に罹患している、薬剤(ステロイド、抗がん剤 等)の影響が関与しているのではないかとも言われています。

治療について

治療をするにあたって、まずは十分な休養を確保します。そのうえで治療を行っていきます。この場合、薬物療法と心理療法を組み合わせて行います。
薬物療法では、抗うつ薬としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などが用いられるほか、患者様の症状によって、抗不安薬や睡眠導入薬なども処方されることがあります。
また心理療法は薬物療法と併行して行うと効果が高くなると言われています。種類としては、いくつかあるのですが、主に認知行動療法が選択されます。これは、自らの頭の中にある否定的な考え方などのパターンを見つけ出し、認知の歪みを修正していき、さらに気分や行動を変化させていくという内容になります。