不眠症とは
睡眠障害のひとつに数えられます。眠りたいのに眠れない、睡眠の質が伴っていないといったことによって睡眠不足の状態が続くようになります。その後、日中の活動時において、強い眠気に襲われる、倦怠感、意欲・集中力の低下、めまい、頭重感などの症状がみられ、日常生活に支障をきたすようになると不眠症と診断されます。
発症の原因に関しては、ひとつとは限りません。ストレスや心の病気など精神的なこともあれば、身体的要因(体の病気)、薬の副作用の影響、嗜好品(カフェイン、アルコール、喫煙 等)の過剰摂取、騒音や高温多湿等などが挙げられます。
また不眠症は大きく4つのタイプに分けられます。それぞれの特長は以下の通りです。
- 入眠障害
- なかなか眠りにつくことができない状態です。具体的には、就寝後30分~1時間が経過しても寝付けない場合を言います。ストレスや心配事などが引き金になることが多く、不眠症と診断された方の中で最も多いタイプでもあります。
- 中途覚醒
- 眠りにつくことは比較的容易ですが、浅い眠りのために目がすぐに覚めてしまうタイプになります。
- 早朝覚醒
- 起床する時間よりも2時間以上も早く目覚めてしまい、起きる予定時刻まで眠れない状態が続きます。高齢者によく見受けられます。
- 熟眠障害
- 睡眠時間は、しっかり確保しているものの、眠りが常に浅いため熟睡した感覚が得られないと訴えているタイプです。
検査について
眠れない原因を特定する必要があるので、まず問診から始めます。また原因疾患の有無を調べるため、血液検査、睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べる簡易型睡眠時無呼吸検査、頭部MRI等の検査を行うこともあります。
治療について
不眠を引き起こす疾患が確認できた場合は、その原因となっている病気の治療を行うことになります。
原因疾患がない場合、日頃の生活習慣や環境を改善していきます。具体的には、規則正しい食生活、朝は太陽の光を浴びる、適度な運動、寝床の環境を整える、リラックスできる時間帯を作るなどしていきます。
それでもこれといった効果が現れないとなれば、薬物療法として睡眠薬を使用していきます。入眠障害の場合は、速効性があるとされる超短時間作用型の睡眠薬が用いられます。また早朝覚醒や中途覚醒の不眠症では、中間時間作用型もしくは長時間作用型の睡眠薬が使われます。また原因とされる心の病気がある場合は、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬等を使用することもあります。