強迫性障害とは
強迫観念と強迫行動の2つの症状がみられる状態を強迫性障害と言います。強迫観念とは、自分の意思とは関係なく頭の中で繰り返し浮かぶとされる考えやイメージのことを言います。また強迫行動とは、強迫観念を頭の中から打ち消したいとばかりに延々と続けている行動になります。
ひとつ例を挙げると、手が汚れているという強迫観念を振り払おうと何十分も手を洗い続けているのが強迫行為です。この2つの特徴がみられているので強迫性障害ということになります。
上記外にも、ガス栓や戸締りが不安で何度も家に戻って確かめる(確認行為)、誰かを傷つけるかもしないという恐怖から刃物等を持つことができない(加害恐怖)、決まった順番で物事を行わないと気が済まない(整理整頓強迫)といったこともあります。
発症の原因は特定していませんが、脳内の神経伝達物質であるセロトニン等の機能異常、環境(ストレス 等)の影響などが関係しているのではないかと言われています。
治療について
薬物療法と精神療法を組み合わせて行います。薬物療法では、抗うつ薬(SSRI)や抗不安薬(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系)を使用します。精神療法では、認知行動療法を行います。この場合、手洗い等、あえてやらずにはいられない環境を整え、それを我慢する訓練をしていきます(曝露反応妨害法)。最初は30分程度の時間で行っていき、回数をこなしていくうちに訓練の時間を増やします。その環境に慣れていくことで不安はだんだん消えていき、強迫行為(確認行為 等)も減少していくことが期待できるようになります。